日光院
日光院
高崎(たかさき、多賀城廃寺跡あたり)の丘に、日光院と呼ばれる小さなお堂があります。
昔、このあたりに旅の行者(ぎょうじゃ)がやって来て、ある家を宿にしていました。ところがこの行者は病を患っていて、次第に症状が重くなってしまいます。もはや息絶えようとするとき、行者は「死んだら逆さに埋めよ」と言い遺しました。
しかし面倒を見ていた村人としては、行者さまを逆さに埋めるのもおかしなことだと考え、その頃のやり方の通り座った姿勢で埋葬します。
するとこの村にボウフリガミ(流行病)が流行り出しました。人々は行者の言葉にそむいて埋めたためであろうと考え、あわてて逆さに埋め直しました。するとボウフリガミはおさまり、以後高崎のあたりでは疫病になる者がなくなったといいます。
日光院は、この行者を祀ったお堂と伝えられています。