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志引石

  • 石の伝説

 田中村の「書出」に、縦横6尺と4尺の二つの石があって「千引石」と記している。昔、岩切村の台という地に大石があって通交の妨げになっていた。村人が大勢でこの石を除こうとしたが、どうしても動かすことができなかった。困り果てていると一人の娘が来て、私にその石を任せよという。村人はそんなことはできるものかと見守っていると、娘は紫の襷(たすき)と鉢巻をして身支度をし、石に手を掛けると、石は飛び上がって東田中のデンジョウ山の山裾に落ち二つに割れた――現在あるのはその一つで、他は土中にあると―― 。この石は千引の石と呼ばれたが、のちに志引石と改められた。この娘を祀ったのがこの地にある志引観音で、石が落ちた場所が赤井家の田であるため観音堂の別当を当家が司っている。当家ではこの田に肥料を入れず、紫の布を用いることを戒めている。

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